下水処理場やポンプ場における、土木分野の計画から設計が私の仕事です。入社以来、どちらかといえば設計の前段階である計画立案業務を数多くこなしてきました。まずは各種の基礎情報を元に、処理場に入ってくる水や処理する量から、どんな処理方式を採用し、施設形状を考え、そのためにどんな工事をするかといった俯瞰的なビジョンを立てます。そして連携が必要な部署と調整を重ね、プロジェクトを進行していくなかで各部署の意見をまとめるのも施設部担当者の役割です。機械担当、建築担当それぞれの意見があります。また、クライアントからこうしたい、ああしたいといった話があると、それを尊重しなければ、と自分自身右往左往してしまうこともあります。しかし、施設整備には予算もあり、やりたいことがすべて実現できる訳でもありません。私は土木担当として全体を見て、何が可能で何がそうでないかを考え、判断し、意見がまとまるまで何度も調整を重ねて一つの計画に集約していきます。処理場は一つひとつ条件も異なり、どういうものを作れば完璧かといった正解はありません。大事なのは自分で自信を持って説明できるよう、ストーリーを立てて考えていくこと。筋道を立て、冷静に判断していくのも、施設部のコンサルタントには必要な力です。
同時に、先を読む力も実力を問われる部分です。インフラは永続的に必要なものだけに、予算や各設備、施設の寿命を見据えて広い視野で計画を立てなければなりません。経験を積むうちに「この部分が将来的にポイントになるな」と感じられたときは、自分にも実力がついたのだと思える瞬間です。